顕微鏡 第43巻▶第4号 2008
■最近の研究と技術

小脳プルキンエ細胞とシナプス構築

市川量一a,二宮孝文a,辰巳治之a,渡辺雅彦b

a札幌医科大学医学部解剖学第一講座
b北海道大学大学院医学研究科解剖発生分野

要旨:超微形態像を連続的に観察することにより得たプルキンエ細胞のシナプス構築の再構築像によると,細胞体の近位領域では登上線維のみが,中間領域では登上線維と平行線維の両者が,遠位領域では平行線維のみが,スパイン上に興奮性シナプスを形成し,抑制性線維は全領域のシャフトにシナプスを形成する.形成,保持させる因子として,入力線維およびその電気活動,プルキンエ細胞に発現する特定の分子,などが挙げられている.

キーワード:シナプス構築,小脳,プルキンエ細胞,樹状突起,軸索

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