顕微鏡 第48巻▶第1号 2013
■最近の研究と技術

クライオ電顕法による氷の電子線照射下における構造変化のその場観察

小林慶太,末永和知,越野雅至,保田英洋

大阪大学超高圧電子顕微鏡センター
産業技術総合研究所ナノチューブ応用研究センター

要旨:クライオ電子顕微鏡(電顕)法における試料雰囲気は高真空低温であり,かつプローブに高エネルギー電子線を用いることから,これを高真空極低温かつ宇宙線照射下環境の宇宙空間に模すことができると考えられる.我々はこれに着目し,宇宙空間における氷の構造ならびにその変化を明らかにすべくクライオ電顕を用いて氷の電子線照射下における構造変化のその場観察を行った.本稿ではこの研究で得られた知見について簡潔に紹介する.

キーワード:クライオ電顕,氷,電子線照射,相転移

本文PDF