顕微鏡 第46巻▶第3号 2011
■超高圧電子顕微鏡の新たな展開

反応科学超高圧電子顕微鏡の開発

田中信夫,臼倉治郎,楠美智子,斎藤弥八,佐々木勝寛,丹司敬義,武藤俊介,荒井重勇

名古屋大学エコトピア科学研究所
名古屋大学工学研究科

要旨:近年,電子顕微鏡の分野では,球面収差補正装置を使ったサブÅの超高分解能の実現とあわせ,ガス雰囲気や各種の機械的・電気的変調を加えながら試料の観察を行う「環境電子顕微鏡(Environmental TEM/STEM; ETEM/ESTEM)」が話題になっている.今回名古屋大学では世界に先駆けて10,000Pa(≅1/10気圧)までガスを入れたり,光や機械的変調を試料に加えられ,かつ3次元観察もできる100万ボルト超高圧電子顕微鏡を開発・設置した.本稿ではその開発の詳細と初期的データを説明する.

キーワード:環境超高圧電子顕微鏡,反応科学研究,その場観察,3次元観察,TEM/STEM

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