顕微鏡 第47巻▶第2号 2012
■特集:体内時計のかたち

概日時計の細胞自律性

八木田和弘

京都府立医科大学大学院医学研究科神経生理学

要旨:概日時計(体内時計)は,約24時間周期の生体リズムである概日リズム(サーカディアンリズム)を司る内因性の自律振動体であり,バクテリアから人に至るまで地球上のほとんどの生物に備わる普遍的な生命機能の一つである.加えて,環境周期に同調する性質を持ち,周期的に変動する環境条件に生体機能を適応させることができることから,概日時計の生理学的意義が多岐にわたることが近年の研究の進展から明らかになってきている.本稿では哺乳類概日時計について概説し,特に概日時計の細胞自律性について述べる.

キーワード:概日リズム,時計遺伝子,発生,細胞自律性

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