ナノ構造を用いた最近のインプラントフィクスチャー表面への細胞接着における基盤構築―各種顕微鏡からのアプローチ―
大阪歯科大学 歯周病学講座
要旨:歯の喪失時の歯科治療の一つとしてインプラント治療があり,それについては約40年前,ブローネマルクが骨とチタンとの結合,すなわちOsseointegrationを提唱して以来,新しい局面を迎えている.最近のインプラントフィクスチャーはチタンの表面性状を様々な方法で制御することによってOsseointegrationをより早期に安定化させる.このことは,臨床上良い初期固定を得られる点で非常に重要である.チタンの表面性状を制御と一言で言っても様々な手法が試されており,細胞接着の観点からの基盤構築はその後の分化に至るまでの細胞挙動に影響を及ぼす.今回,チタン金属表面のナノ構造化など新規の表面性状の制御を検討する上で必要な要素について各種顕微鏡を用いて観察した.
キーワード:ナノ構造,インプラント,表面制御,チタン