顕微鏡 第52巻▶第2号 2017
■最近の研究と技術

う蝕治療に使用される歯質接着材の電子顕微鏡観察

長岡紀幸,吉原久美子,吉田靖弘

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 先端領域研究センター
岡山大学病院 新医療研究開発センター
北海道大学大学院歯学研究院 生体材料工学教室

要旨:う蝕治療は,患部を除去し窩洞部に詰め物が充填される.近年,コンポジットレジンによる審美性に優れた修復が多くなっている.一般的なコンポジットレジンは歯に接着する性質がなく,歯質接着材が必要である.我々は,歯質接着材に含まれる接着性モノマーに着目してきた.歯の主成分であるハイドロキシアパタイト(HAp)と接着性モノマーとの反応を,XRD,固体NMRで測定し,接着界面を透過電子顕微鏡観察した.

キーワード:う蝕,歯質接着材,セルフエッチング,リン酸モノマー,コンポジットレジン

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