顕微鏡 第53巻▶第3号 2018
■講座

骨組織の3次元解析

橋本真奈,上岡寛

岡山大学病院矯正歯科
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯科矯正学分野

要旨:骨組織にはマイクロサイズの細胞群やナノサイズのコラーゲン細線維といった様々な微細な構造物が存在しており,こうした構造物が相互作用することで骨組織が維持され,骨代謝が調節されている.骨組織の維持や骨代謝の調節が正常に行われないと様々な疾患を引き起こすことから,骨組織内部の微細構造物を3次元解析することは非常に重要である.また,3次元解析後,3次元形態計測を行うことで,その構造物がもつ生物学的な意義をさらに深く検討することができる.本稿では当研究室で行なわれている,共焦点レーザー顕微鏡を用いた骨細胞ネットワークの3次元解析,直交配置型FIB-SEMを用いた骨組織やコラーゲン細線維の3次元解析について述べる.

キーワード:共焦点レーザー顕微鏡,直交配置型FIB-SEM,3次元形態計測,骨細胞