顕微鏡 第44巻▶第3号 2009
■最近の研究と技術

筋萎縮性側索硬化症(ALS)と小胞体ストレス

片山泰一a

a大阪大学大学院・大阪大学,金沢大学,浜松医科大学 連合小児発達学研究科こころの発達神経科学講座・分子細胞遺伝学研究領域

要旨:家族性筋萎縮性側索硬化症(FALS)の早期発症型変異SOD1(L84V)を発現する細胞を作製し小胞体(ER)ストレス誘導剤ツニカマイシンを負荷した.その結果,同細胞にSOD1陽性凝集体が多数観察され,この凝集体はERに局在することが示された.更にLewy小体様硝子様封入体(LBHI)等FALS患者様病理像が観察された事からFALS発症機構にERストレスが関与しL84V発現細胞はLBHI形成モデルとなり得る.

キーワード:筋萎縮性側索硬化症,SOD1,小胞体,Lewy小体様硝子様封入体

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