遅延帰還を用いたダイナミックモード原子間力顕微鏡のカンチレバー振動の安定化
a京都大学大学院工学研究科
b東北大学電気通信研究所
要旨:ダイナミックモード原子間力顕微鏡において,探針―試料表面間相互作用の非線形性に起因して生じるカンチレバー振動の不安定化を抑制するため,市販装置に時間遅れフィードバック制御と呼ばれる振動制御法を実装した.磁場を用いたカンチレバー励振系とともに試作コントローラを実装することで,カンチレバーにおける不規則振動の発生を抑制し,安定な周期振動を維持することに実験的に成功した.
キーワード:原子間力顕微鏡(AFM),カンチレバー,非線形振動,フィードバック制御