顕微鏡 第45巻▶第2号 2010
■最近の研究と技術

遅延帰還を用いたダイナミックモード原子間力顕微鏡のカンチレバー振動の安定化

山末耕平a,b,引原隆士

京都大学大学院工学研究科
東北大学電気通信研究所

要旨:ダイナミックモード原子間力顕微鏡において,探針―試料表面間相互作用の非線形性に起因して生じるカンチレバー振動の不安定化を抑制するため,市販装置に時間遅れフィードバック制御と呼ばれる振動制御法を実装した.磁場を用いたカンチレバー励振系とともに試作コントローラを実装することで,カンチレバーにおける不規則振動の発生を抑制し,安定な周期振動を維持することに実験的に成功した.

キーワード:原子間力顕微鏡(AFM),カンチレバー,非線形振動,フィードバック制御

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