顕微鏡 第45巻▶第3号 2010
■特集:電子線ホログラフィーで究める物質科学

電子線ホログラフィーを用いたナノ・ヘテロ触媒の解析

市川聡

大阪大学ナノサイエンスデザイン教育研究センター

要旨:AuをTiC上に真空プロセスで坦持することによりAu/TiCナノへテロ触媒を作製した.この界面に着目し,高分解能法および電子線ホログラフィーを用いた観察を行った.Au/TiCナノ粒子触媒における金の平均内部ポテンシャルは粒子サイズに依存して変化することがわかった.粒子サイズが3nm以下になると平均内部ポテンシャルはサイズ減少に伴って徐々に増大する.さらに2nm以下になると30V以上の大きな値となる.サイズ依存性は,真空プロセスで作製したAu/TiO2ナノ粒子触媒のものと類似していることがわかった.

キーワード:電子線ホログラフィー,平均内部ポテンシャル,金触媒,Au/TiC,高分解能法

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