顕微鏡 第45巻▶第3号 2010
■講座

蛍光顕微鏡画像におけるカラーユニバーサルデザイン

岡部正隆

東京慈恵会医科大学解剖学講座

要旨:カラー印刷技術の発達やインターネットの発達によって,近年我々の身近なところで,色の違いによって重要な情報を判断しなければならない機会が急激に増えた.学会においても,カラー印刷したポスターや,液晶プロジェクターを用いたカラフルなプレゼンテーションが基本となり,学術雑誌におけるカラー図版も圧倒的に増加している.そのため,使用している色そのものに重要な情報が含まれている写真や図版が多くなっている.文字や記号といった形に基づいた情報伝達と異なり,色による情報伝達は色覚の個人差によって,発表者の意図する情報が相手に正確に伝わらない可能性がある.本稿では,発表者が最も伝えたい情報をより多くの聴衆や読者に正確に伝えるための,蛍光多重染色画像の供覧の方法を紹介する.

キーワード:蛍光顕微鏡画像,色弱,色覚,カラーユニバーサルデザイン

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