顕微鏡 第46巻▶第3号 2011
■解説

収差補正TEM/STEMの現状と今後の展望

田中信夫

名古屋大学エコトピア科学研究所

要旨:1990年代後半から収差,特に球面収差補正技術が実用化して,最初にTEM,次いで2000年頃からはSTEMにも搭載され,電子顕微鏡の分解能は0.1nmを切るようになった.また最近ではドイツとわが国で色収差補正装置の開発も進み,次の高分解能電子顕微鏡の目標は0.04nm以下の点分解能と原子レベルの3次元観察である.本稿ではこの間の歩みと現状を総括して今後の展望をさぐりたい.

キーワード:球面/色収差補正,TEM/STEM,ナノ分析手法,分解能の向上,3次元観察

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