顕微鏡 第46巻▶第4号 2011
■最近の研究と技術

逆X線光電子ホログラフィーを用いた三次元(3D)原子像の再生

上坂彰朗,林好一,松下智裕,新井重俊

株式会社堀場製作所
東北大学金属材料研究所
財団法人高輝度光科学研究センター

要旨:逆X線光電子ホログラフィー(Internal-Detector Electron Holography)は,実験室レベルで特定原子周辺の三次元(3D)原子イメージングを可能にする技術であり,材料や表面科学の分野などにおいて有望な構造解析技術である.本稿では,本技術の原理と走査型電子顕微鏡(SEM)を用いたSrTiO3単結晶の測定結果について紹介する.SPEA-MEMと呼ぶ原子像再生アルゴリズムを用いることにより,軽元素であるO原子も鮮明に再生され,高精度なSrTiO3単結晶の3D原子像が得られた.

キーワード:ホログラフィー,走査型電子顕微鏡,ナノ構造解析,表面

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