顕微鏡 第47巻▶第3号 2012
■最近の研究と技術

強磁性規則合金ナノ粒子の原子的構造

佐藤和久,今野豊彦,弘津禎彦

東北大学金属材料研究所
大阪大学産業科学研究所

要旨:磁性材料の微細化・集積化とともに,従来にない非常に微細な粒径2–3nmサイズの磁性合金ナノ粒子の構造と機能に関心が集まっている.このような原子クラスターの構造解明には,収差補正電子顕微鏡による原子的構造観察が必須である.本稿では,次世代超高密度磁気記録媒体として期待されるL10型FePd及びCoPtナノ粒子における規則格子形成とその原子的構造について,収差補正高分解能電子顕微鏡観察に基づく最近の研究結果を紹介する.

キーワード:高分解能電子顕微鏡,収差補正,磁性合金ナノ粒子,長範囲規則構造,サイズ効果

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