顕微鏡 第49巻▶第2号 2014
■特集:環境電顕の進歩と応用

金属ナノ粒子の形状変化の高温その場TEM観察

成島隆,米澤徹

首都大学東京 大学院都市環境科学研究科
北海道大学 大学院工学研究院

要旨:透過電子顕微鏡(TEM)による高温その場観察は,試料に熱を加えながら,鏡筒内にガスを導入するなど,実環境を模擬した雰囲気での材料の高分解観察が可能なために注目を集めている.特に,本手法では金属ナノ粒子の研究において,ナノメートルスケールの酸化,構造変化,相転移といった状態変化をリアルタイムで観察することが可能であるため,ナノ粒子を用いた様々なアプリケーションの評価法として期待される.本稿では金属ナノ粒子の高温その場観察を行うためのホルダー,装置の概要と,実例として筆者らが行った形状異方性金属ナノ粒子と導電性ペースト用Cu粒子の高温その場観察の研究結果を紹介する.

キーワード:その場TEM観察,銅微粒子,焼結,酸化,高分子

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