顕微鏡 第49巻▶第2号 2014
■最近の研究と技術

収差補正電子顕微鏡法と第一原理計算によるゼオライト内セシウム吸着サイトの解析

吉田要,豊浦和明,松永克志a,b,倉田博基,中平敦,幾原裕美,佐々木優吉

非営利・一般財団法人ファインセラミックスセンター
名古屋大学大学院工学研究科
京都大学化学研究所
大阪府立大学大学院工学研究科

要旨:今日の社会問題の1つに137Csなどの放射性物質による環境汚染がある.現在そうした放射性物質の吸着剤にゼオライトが利用され回収が行われている.しかし吸着メカニズムは未解明な部分も多く,効率的な回収法の確立には課題が残されている.そこで我々は吸着メカニズムの解明を目的としてCs+を吸着したゼオライトの電子顕微鏡観察を行い,第一原理計算による結果と合わせてイオン交換メカニズムについての考察を行った.

キーワード:ゼオライト,イオン交換,セシウム,球面収差補正電子顕微鏡,第一原理分子動力学計算

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