蛋白質の薄い三次元結晶の電子線結晶構造解析と荷電情報の取得

米倉功治^ａ，加藤一幸^ｂ，小笠原光雄^ｃ，富田正弘^ｄ，豊島近^ｃ

^ａ国立研究開発法人理化学研究所放射光科学総合研究センター米倉生体機構研究室
^ｂ（株）日立ハイテクフィールディング
^ｃ東京大学分子細胞生物学研究所
^ｄ（株）日立ハイテクノロジーズ

要旨：膜蛋白質や生体超分子複合体では，小さく薄すぎてX線回折に利用できない結晶が得られることがよく経験される．私たちは，このような微小で薄い三次元の結晶から構造決定を行う電子線結晶構造解析の技術を開発した．電子線では，同じ原子でも電荷を持ったものと中性のもので散乱のされ方が大きく異なる．この特徴を活かし，蛋白質の活性部位にある金属原子の酸化状態や，アミノ酸側鎖のプロトン化状態を明らかにできた．

キーワード：電子線結晶構造解析，三次元結晶，荷電情報，低温電子顕微鏡，蛋白質構造解析

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