電子線励起による超解像光学顕微鏡
静岡大学電子工学研究所
要旨：電子線励起による超解像光学顕微鏡（EXA顕微鏡）の原理と開発した顕微鏡が50 nm以下の分解能を有することを示した実験結果を紹介する．本顕微鏡では，蛍光膜上に集束電子線を照射し，回折限界以下の微小な光源を励起する．電子線の走査により微小光源を走査し，蛍光膜上の試料を観察する．蛍光膜により真空と大気圧を分離すれば，試料側に真空は必要ではなく，生きた生物試料の動態観察を行なうことが可能である．本手法を用いれば試料の吸収分布や屈折率分布を動的に観察することができる．微小光源励起による分解能評価のためにモンテ―カルロシミュレーションと有限差分時間領域法を組みあせた数値解析により分解能を評価した結果，生物細胞の動態観察を行なった結果を示す．
キーワード：光学顕微鏡，電子顕微鏡，超解像，バイオイメージング，モンテカルロシミュレーション