顕微鏡 第52巻▶第3号 2017
■解説

酵母のオートファジーと電子顕微鏡

馬場美鈴

工学院大学総合研究所

要旨:2016年10月3日,ノーベル生理学・医学賞が発表された.大隅先生の長年の研究である“オートファジーの仕組みの解明”に対してである.オートファジーとは,自己の細胞質構成成分の一部を液胞/ライソゾームへ取り込んで分解する経路のことである.大規模な分解系であることから,ミトコンドリアなどのオルガネラもこの系によって分解することができる.この解説では,オートファジー研究の初期において,電子顕微鏡がどのようにして関わることになったのか,どのような方向性を導き出したのかについて紹介する.

キーワード:オートファジー,オートファゴソーム,酵母,液胞,電子顕微鏡

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