顕微鏡 第52巻▶第3号 2017
■最近の研究と技術

気相法で作製したアモルファスゲルマニウム薄膜の構造変化と結晶化

仲村龍介,奥川将行,沼倉宏

大阪府立大学大学院工学研究科マテリアル工学分野

要旨:スパッタリング法で作製したアモルファスゲルマニウム薄膜の電子照射誘起結晶化組織が成膜からの経過時間によって異なる,すなわち室温時効によって変遷することを我々は最近発見した.その起源を知るためにアモルファス薄膜の電子線二体分布解析を行ったところ,時効によってアモルファス構造が系統的に変化することがわかった.これまでの研究を紹介し,アモルファス構造と結晶化組織の対応関係に関する現時点での知見を述べる.

キーワード:アモルファスゲルマニウム,二体分布解析,結晶化,分子動力学シミュレーション,中距離規則構造

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