顕微鏡 第43巻▶第2号 2008
■講座

DNAでコードされたセンサーによるCa2+イメージング

中井淳一

理化学研究所・脳科学総合研究センター・記憶学習機構研究チーム・副チームリーダー

要旨:蛋白質でできたカルシウムセンサーは,DNAにより符号化(コード)されているので,DNAでコードされたカルシウムセンサー(GECS)と呼ばれる.したがって,GECSは,そのDNAを細胞に導入することにより,細胞内でセンサーの蛋白質が合成されて機能するようになる.GECSには発光センサーと蛍光センサーがあるが,近年の蛍光GECSの進歩には目覚しいものがある.本講座ではGECSの種類とその特徴を説明し,蛍光GECSの応用例を紹介して,その可能性について論じる.GECSはin vivoでの細胞機能のモニターに優れており,現在,生物個体への応用が精力的に進められている.今後,移植・再生医療関連の研究にも応用されると予想される.

キーワード:GFP,発光,蛍光,カルシウム,センサー

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