顕微鏡 第43巻▶第2号 2008
■最近の研究と技術

極浅イオン注入Si層の紫外ラマン観察

播磨弘

京都工芸繊維大学工芸科学研究科

要旨:Si系電子デバイスの高集積化に伴い,表層10nm桁の深さでの接合技術が重要となってきている.本稿では極浅イオン注入に伴う損傷と熱処理による結晶性回復過程のラマン散乱評価の試みを紹介する.Siでは励起波長が可視域と紫外域の場合で大きく光侵入長が異なり,例えば波長266nmの深紫外光励起では5nm程度までの表層評価ができる.これには断面TEM解析を相補的に用いることでさらに精細な評価が可能となる.

キーワード:ナノ表層,紫外ラマン,シリコン,イオン注入,熱処理

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