顕微鏡 第44巻▶第4号 2009
■解説

TEM-CL法による表面プラズモンの研究

山本直紀,鈴木喬博,竹内健悟

東京工業大学理工学研究科

要旨:表面プラズモンは,金属表面のステップや光の波長以下の周期をもつナノ構造を介して光に変換される.透過型電子顕微鏡内の試料からの光検出を行うTEM-CL法に新たに角度分解機能を付加して,表面プラズモンによる発光の測定を行った.角度分解スペクトルから表面プラズモンの分散関係を導出し,放射角を制限することで特定の表面プラズモンモードの定在波パターンを観察することができた.この手法は,表面プラズモンが関与するさまざまな発光現象に適用でき,プラズモニクスの基盤となるナノ構造の特性を高い分解能で調べる有力な方法である.

キーワード:透過型電子顕微鏡,カソードルミネッセンス,表面プラズモン,プラズモニックス,ナノ構造

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