顕微鏡 第45巻▶第4号 2010
■講座

金属ガラスの電子線局所構造解析

弘津禎彦,平田秋彦

大阪大学産業科学研究所(大阪大学名誉教授,現大阪大学グローニンゲン教育研究センター)
東北大学原子分子材料科学高等研究機構

要旨:近年の電子顕微鏡技術の飛躍的な向上により,収差補正高分解能像法やナノ電子回折法を利用してアモルファス物質の局所構造情報を得ることが可能となった.さらに,エネルギーフィルター電子回折法を用いた精密な電子線動径分布解析も可能となっている.このため,金属ガラスなどのアモルファス物質中の同一領域について,局所構造解析と平均構造解析の双方を同時に行える時代となった.本稿では,それらの手法について解説したのち,実際にPdおよびFe系金属ガラスに対して応用した例について紹介する.

キーワード:金属ガラス,電子線局所構造解析,収差補正高分解能法,ナノ電子回折法,電子線動径分布解析

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