顕微鏡 第46巻▶第1号 2011
■最近の研究と技術

光子・電子ハイブリッド顕微鏡開発―「FL-SEM」による観察―

金丸孝昭a,b,平田和穂c,高洲信一d,礒部信一郎e,f,水城圭司g,又賀駿太郎f,久冨智朗h,納富昭司h,中村桂一郎i

a九州大学病院中央形態分析室
b九州大学大学院システム情報科学府
c九州大学大学院医学研究院系統解剖学分野
d福岡大学大学院工学研究科
e九州産業大学工学部物質生命化学科
f株式会社アイエスティー
g崇城大学工学部ナノサイエンス学科
h九州大学大学院医学研究院眼科学分野
i久留米大学医学部解剖学講座

要旨:生体の機能と形態の関連を裏付ける可能性を秘めた蛍光組織細胞化学染色標本において,同時・同軸での超微形態観察が実現できれば,微小領域の形態と機能の統合的解析が可能となる.今回,蛍光光学顕微鏡と走査型電子顕微鏡を組み合わせたハイブリッド型顕微鏡を開発した.本稿では「FL-SEM」と命名した本装置の概要を解説し,撮影された画像を紹介する.また本装置による観察に有利な新規蛍光物質「Fluolid」について言及する.

キーワード:ハイブリッド,走査型電子顕微鏡,蛍光顕微鏡,有機EL蛍光,多角的観察顕微鏡

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