顕微鏡 第46巻▶第1号 2011
■最近の研究と技術

X線干渉計用30prad位置決め機構の開発とX線位相イメージングへの応用

米山明男a,竹谷敏b,兵藤一行c,上田和浩a,武田徹d

a(株)日立製作所基礎研究所
b産業技術総合研究所計測フロンティア研究部門
c高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所
d北里大学医療衛生学部

要旨:X線位相イメージングへの応用を目的として,X線干渉計用の位置決め機構の開発を進めている.シンプルな構成と固体すべり機構による高い剛性のステージ,ドリフトを抑制するフィードバックシステム,及びアクティブ除振機構の組み合わせにより,干渉計光学素子間の回転変動を30pradで安定化することができた.この結果,本機構を用いたイメージングシステムにより,生体軟部組織など密度差の小さい試料でも無造影で観察することが可能になった.

キーワード:X線干渉計,位相コントラスト,位相イメージング,prad

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