顕微鏡 第46巻▶第1号 2011
■最近の研究と技術

STMによる単電子スピンの検出

米田忠弘

東北大学多元物質科学研究所

要旨:走査型トンネル顕微鏡(STM)を用いて単一スピンを検知する手法が次々と開発されているが,(1)近藤共鳴の観察によるスピン検知,特に有機分子の不対p軌道スピンによる近藤共鳴の検出,および(2)局在したスピンが磁場中で歳差運動を行うことを利用し,その周期に同期したトンネル電流の変化を測定しスピンを検知する手法,特にSi(111)-7×7表面におけるダングリングボンドをスピンセンターとするスピン信号検知について述べる.

キーワード:走査トンネル顕微鏡,スピン,トンネル分光,ESR-STM,近藤効果

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