顕微鏡 第47巻▶第2号 2012
■講座

電子顕微鏡を用いた強相関電子系材料の微細構造解析

森茂生

大阪府立大学大学院工学研究科

要旨:強相関電子系物質は,3d電子のもつ電荷,スピンや軌道の自由度および電子系と結晶格子系との強い相互作用により,電荷・軌道秩序構造の形成や巨大磁気抵抗効果などの量子物性を示す.本稿では高分解能電子顕微鏡法,電子回折法,ローレンツ顕微鏡法および電子線小角散乱法を用いて明らかとなった,マンガン酸化物での電荷・軌道秩序構造や電子相分離状態におけるナノスケールでの微細構造に関する研究成果を紹介する.

キーワード:強相関電子系材料,電荷・軌道秩序,電子相分離,マンガン酸化物,ローレンツ顕微鏡

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