顕微鏡 第49巻▶第1号 2014
■解説

コルチコステロイド受容体ダイナミクスのバイオイメージング

西真弓

奈良県立医科大学・第一解剖学

要旨:コルチコステロイドは,脂溶性であるため細胞膜を容易に通過し,細胞内の特異的受容体と結合し,多彩な作用を発揮する.コルチコステロイド受容体の細胞内局在について,これまでに様々な方法で調べられてきたが,その詳細は未だ完全には解明されていない.近年,GFP(green fluorescent protein)という緑色蛍光タンパクとの融合蛋白を用いることによって,生細胞内での受容体の動きをリアルタイムに可視化して解析することが可能となり,これまでの固定した細胞内では見られなかった新しい知見が得られるようになってきた.本解説においては,glucocorticoid receptor(GR)とmineralocorticoid receptor(MR)に焦点を置き,これらとGFPあるいはそれらの色変異体との融合蛋白を培養細胞に発現させ,蛍光イメージング法による受容体の生細胞内における動態の解析について概説する.

キーワード:緑色蛍光タンパク質,リアルタイムイメージング,in vivoイメージング,FRAP,FRET

本文PDF