顕微鏡 第51巻▶第3号 2016
■最近の研究と技術

神経形態学におけるデジタルカウント

清蔭恵美,松野岳志,濱本真一,樋田一徳

川崎医科大学解剖学

要旨:脳組織を構成するニューロンやグリアは3次元的な脳内に分布しており,組織標本として用いられる切片の僅か数十ミクロンの厚さの中にも多様に存在する.組織標本から実際の脳組織内に立体的に分布する細胞数や密度を推定する場合,サンプリングバイアスが大きな問題となる.そこで本稿では,細胞の大きさ,形,分布の偏りに左右されないdisector法による定量解析の必要性と,それを使った我々の定量解析について紹介する.

キーワード:細胞数カウント,stereology,disector法,StereoInvestigator

本文PDF