公益社団法人日本顕微鏡学会では、顕微鏡学に関連する最新の話題を取り上げ、お互いの研究成果を発表し討論する場として、毎年学術講演会を開催しております。2021年度の第77回学術講演会は、2021年6月14日(月)から6月16日(水)の3日間の会期で、つくば国際会議場(茨城県つくば市)で開催することになりました。顕微鏡をキーワードに様々な分野の技術者・研究者が集い、装置・材料系や医学・生物系といった専門分野の垣根を越えて、更には学会や産業界の垣根を越えて、実りある学術講演会になるようにしたいと思いますので、皆様の積極的なご参加をお待ちしております。
今回の学術講演会のテーマは、「デジタルトランスフォーメーション時代の顕微鏡サイエンス&テクノロジー」としました。デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、「進化し続ける高度なデジタル情報技術により、社会、産業構造、生活をより良いものに変革する」ことを意味します。DXは既存の価値観や枠組みを超えた革新的なイノベーションを社会にもたらすものとされています。このようなデジタルトランスフォーメーションの時代において、IoT、情報科学、ビッグデータなどの高度デジタル技術と顕微鏡法が融合することにより、顕微鏡の学理(サイエンス)ならびに顕微鏡の技術(テクノロジー)における革新的なイノベーションの創発と加速を期待して、このテーマを設定しました。日本顕微鏡学会は実行委員会と連携して、皆さんに満足して頂ける学術講演会とするために、一般講演発表を中心に広く演題を募集すると共に、複数のトピックスをシンポジウムとして取り上げ、最先端の研究動向をお知らせし活発に討論して頂きたいと考えています。また、引き続き2021年度も国際的な研究協力を推進するために、アジア近隣国等との国際学術交流シンポジウムを企画しております。企業の若手研究者や学生会員の皆様にも有益な情報をお伝えするために、チュートリアルセッションも開催する予定です。加えて、公益法人として次の世代を担う中高校生や一般市民の方にも顕微鏡の面白さを伝えるべく、市民公開講座や体験型の市民ワークショップも6月13日(日)に開催する予定です。
つくばは、北にはイザナギ・イザナミの神々の宿る筑波山、東には日本第二の湖水である霞ヶ浦に囲まれ、縄文までさかのぼる神代から東日本における文化や交通の要として発展してきました。一方、つくばからノーベル賞受賞者も生まれるなど、研究機関等の集積をいかした世界的な科学技術拠点都市としての実績を積み重ね、現在では2万人を超える研究者を有する日本最大のサイエンスシティとなっています。また、つくばエクスプレスの開通により都心秋葉原から45分で直結するなど、国内外からの空路、鉄路、高速バス等によるアクセスも大変便利になっております。アカデミア、企業を問わず、顕微鏡に関わる多くのみなさんがこの第77回学術講演会にご参加くださいますことを、実行委員会ならびに学会関係者一同、心よりお待ちしております。
- 公益社団法人日本顕微鏡学会
第77回学術講演会
実行委員長 藤田 大介
(物質・材料研究機構 拠点長)