エネルギー分散型x線分光法(EDS)関連 |
質問1. |
EDS分析を行う際,得られたスペクトルで,ある元素が検出されたときに,それが試料中に存在する物か,周辺(ホルダーやメッシュ等)のホールカウントかを区別できる方法があれば教えて下さい。 |
回答1. |
微量な特性x線の信号が試料から発生した物か,あるいは試料以外のノイズなのかを区別するには,前もって試料を装着せずに電子顕微鏡本体からのノイズ発生を確かめておくことが必要です。メッシュやホルダーからのノイズは常に発生しますので,ノイズと同じ成分が試料に含まれているときは注意を要します。メッシュからの発生が顕著な場合は通常使われているCu以外のメッシュ,例えばNiやWメッシュを用いることをお勧めします。(物質・材料研究機構,板東義雄会員) |
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質問2. |
EDSは数%程度の濃度がないと検出できないそうですが,入射ビームをごく小さく絞ったその領域内で数%あればよいのでしょうか。その場合,その微少領域をドリフトすることなく測定し続ける工夫が特別必要でしょうか。 |
回答2. |
分析領域の濃度が数%であれば十分に検出可能です。ただし,ビームを絞ると試料ドリフトにより長時間の測定が困難になります。通常は10秒以内で測定をいったん中断し,場所を確認してから測定を継続します。(物質・材料研究機構,板東義雄会員) |
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