試料作製関連 |
質問1. |
FIBの100nm仕上げの後に、イオンミリングを使うと良い試料ができるのでしょうか。 |
回答1. |
答はYESです。FIBで加工する場合の問題点として、試料表面へのGa液的の付着、あるいはエッチング物質の再付着、試料表面へのダメージ(アモルファス層)の導入があります。そこで、特に、再付着物を除去するために、既にFIBで薄片化された試料表面をイオンエッチングでなめらかに削り落とすことが行われています。実際には、FIB装置から試料を取り出し、再度イオンエッチング装置内に装着し、まず片側からイオンエッチングを行い、続いて反対側から同様のイオンエッチングを行い、再付着物を除去します。りゅが輪から同時にイオンエッチングできる装置もあります。最近では、TEM内にイオンガスを配備して、試料表面をエッチングしながら、観察することも試みられています。(富士通研究所、上田修会員) |
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質問2. |
粉末試料をEELS分析を十分にできるくらいまで薄くしたいのですが、今、粉末法ではあまり薄くならない状況です。どうしたらいいですか? |
回答2. |
一つの方法として、粉末を樹脂に埋め込んで、樹脂を適当な大きさ(1mm角程度)に切りだした後、イオンエッチンク、ないし、FIB加工により薄片化する方法が考えられます。(富士通研究所、上田修会員) |
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質問3. |
内部に空隙のある試料にFIB加工を行ったときにその空隙が埋まってしまうことはありますか。 |
回答3. |
断面TEM加工の場合を想定してご回答します。その場合には,例えばLSI配線中に発生したボイドなどの断面TEM試料を作製する場合には,加工中に数nm程度のre-depo(再付着)はありますが,埋まってしまうようなことは経験しておりません。常に削っているので,穴に溜まる様なことは起こらないようです。ボックス上に加工した場合にも同様です。心配無用と思います。試してみて下さい。(富士通研究所、上田修会員) |
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