学会の概要

日本顕微鏡学会は、顕微鏡学の発展と普及、および、会員相互の連携強化に努めています。

 公益社団法人日本顕微鏡学会(JSM)は、より広範囲な顕微鏡学的研究領域を網羅し、斯界の発展に寄与するべく、旧社団法人日本電子顕微鏡学会が、平成14年7月に改名致しました。

 本会は、昭和14年に発足した学術振興会第37小委員会(電子顕微鏡小委員会)が基礎になっております。この第37小委員会は政府の支援によって発足したもので、我が国の電気、化学、物理、医学、生物などを専門とする大学および企業の研究者が中心になってスタートし、昭和24年に、世界に先駆けて学会として発展的に改組されたものです。昭和28年頃までは高性能電子顕微鏡総合研究委員会、超薄切片総合研究委員会などと合同で講演会を催してきましたが、それ以後は単独の組織として運用され、現在は個人会員約2000名、法人会員約77社からなる学術機関になっています。

 本学会は、電子顕微鏡およびその周辺に関する学問分野の発展を通じ、社会および産業界に寄与することを目的として、電子顕微鏡(学)に関する理論、基礎的な研究を行うとともに、産業界、医学界、生物界における実際問題への応用研究も盛んに行っており、これらの実績はあらゆる方面から高く評価されています。
 とくに最近、バイオサイエンスやニューマテリアルの分野において欠かせない研究手段となっています。ルスカ(ノーベル賞受賞)によって開発された電子顕微鏡は、日本において独自の発達を遂げ、すべての分野で先端的役割を果たしています。

 また電子顕微鏡の性能はもちろんのこと、製品シェア率も世界の60%以上を占めており、世界各国から注目されています。以上のように、今後当学会が国内のみならず国際的に果たす役割は益々重要になっています。そこで、わが国における電子顕微鏡学をさらに発達させるため、その学問および技術に関係しておられる研究者、技術者、教育者、学生のみなさん、ならびに企業など法人からの積極的な入会と活用をおすすめする次第です。