日本顕微鏡学会では、顕微鏡学に関連する最新の話題を取り上げ、お互いの研究成果を発表し討論する場として、毎年学術講演会を開催しております。2020年度の第76回学術講演会は、2020年5月25日(月)から5月27日(水)の3日間の会期で、大阪国際交流センター(大阪府大阪市)で開催することになりました。顕微鏡をキーワードに様々な分野の技術者・研究者が集い、装置・材料系や医学・生物系といった専門分野の垣根を越えて、更には学会や産業界の垣根を越えて、実りある講演会にしたいと思いますので皆様の積極的なご参加をお待ちしております。
今回の学術講演会のテーマは、相乗効果を意味するシナジー(Synergy)という言葉を使い、「シナジェティック・マイクロスコピー “ハードからアプリまで”」としました。各種の顕微鏡技法だけでなく、独創的な周辺技術、様々な解析・分析技術、更には今後益々その重要度を増すと考えられる情報処理技術、データベース活用、AI技術等が単なる足し算として作用するのではなく、掛け算で作用し合い、より大きな成果を生み出す顕微鏡法へ進展することを期待してこのテーマを設定いたしました。実行委員会では、皆さんに満足して頂ける学術講演会とするために、一般講演発表を中心に広く演題を募集すると共に、複数のトピックスをシンポジウム形式で取り上げ、最先端の研究動向をお知らせし討論して頂きたいと考えています。また2019年度に引き続き、2020年度も国際的な研究協力を推進するために、カナダと日本の2国間学術交流シンポジウムを企画しております。企業の若手研究者や学生会員の皆様にも有益な情報をお伝えするために、チュートリアルセッションも充実させて開催する予定です。加えて、公益法人としての立場から、次の世代を担う中高校生にも顕微鏡の面白さを伝えるべく市民公開講座・ワークショップも開催いたします。
大阪は、古くから交通と文化の要所として発展してきました。また、2025年に開催される大阪・関西万博をきっかけに、さらに大阪を活気づけたいと様々な開発や催しの計画が立てられています。是非大阪にお出で頂き、学術講演会以外でも、食の街としての大阪やエンターテイメント性にあふれた大阪を是非お楽しみ頂きたいと思っております。
- 第76回学術講演会実行委員長
大阪大学大学院工学研究科教授
高井 義造